初恋

登場人物

  • 当時の僕(以下M)
  • 僕の初恋の相手のYさん(以下Y)
  • 僕の親友のT君(以下T)

小学5年生当時、僕は相当の肥満児でして*1、Yさんが恋愛の対象として僕を見ているとは到底思えませんでした。なんせYさんはミニバスケクラブ*2のキャプテンであり、もちろん人望も厚く人気もある明るい女の子だったからね。Yさんの顔は一般的に言ってそこまで可愛くなかったと思いますが、僕は彼女の少し陰のある雰囲気、低めの落ち着いた声、そしてなによりほどよくスレンダーなスタイルに、当時の僕はひどく惹かれていました。


今日は、そんな僕が小学5年生だった時のバレンタインデーの放課後の追想




Y「M君…、これあげるね」(僕にチョコを手渡しながら)

M「えっ?」

Y「今日バレンタインデーでしょ?それで…」

M「まじでー!!!!!ありがとー!!!!!!!!

もう嬉しかったね。「石の上にも3年!」「人間なせばなる!」「三つ子の魂百まで!」とか意味不明なことを考えつつその後僕は猛ダッシュで駆け出していました。冬の空に白い息や僕の火照った体から発せられる蒸気が浮かんでいました。


そんな僕の背後からYさんの惨酷な叫びが響く。





「それT君にあげるつもりだったけどもらってくれなかったからM君にあげただけだよー!お礼ならT君に言ってー!じゃーねー!





…orz




次の日僕は失意に暮れながらもT君に「ひとときの幸せをありがとう」と言っておきました。T君は爽やか極まりない笑顔で「なんだそれー、意味わからん」とか言ってました。うん、この人にならYさんを任してもいいって思ったね、小学生の身分なのに。

その後僕は1年かけて20キロ以上のダイエットに成功しました。もう相当必死な小学生。もちろんYさんに好かれるために。そしてその事件後も数年間Yさんを好きなままでした。しかし、僕の片思いは成就することなく終焉を迎えたのです…。




なんてことを早朝ジョギング中にふと思い出しました。僕が太ってしまうことを忌み嫌うようになった原点はこの頃にあるんじゃないかなー。

*1:身長160弱、体重80キロ強

*2:多分本格的なバスケよりもルールが多少緩和されたようなもの