かつて

僕ってこう見えても中学・高校と通してバリバリのスポーツマンだったんですよ。中学の頃は卓球で中国地方大会の代表にもなりましたし、駅伝ではキャプテンとして全国大会に出場しましたからね。もう十年近く経つというのにそのときの結果は未だに県記録ですよ。

でもキャプテンっていう立場はかなり大変ですよね。部員を総括し士気を高めていく必要があることはもちろん、選手一人一人のコンディションに気を配り監督と相談して年間の練習計画を練り、勝てるチームを作ることに全力を注いでいくんですから。

時には部員側の意見と監督側の意見が食い違い、対立してしまうこともあります。そんなとき最もキャプテンは大変なわけですよ。双方の意見を聞き、妥協点を探っていくのが良策なんですが、いつもそううまくいくとは限りません。結局どちらかの意見が押し通されてしまうことが多いんですよね。

そうなってしまうとキャプテンは、意見が通らなかった方の憎まれ役になってしまうわけです。監督側の考えを重視した場合には部員達から「監督の犬め」みたいな目で見られたりするし、部員の意見を代表した場合には監督サイドから「勝てなかったらキャプテンの責任だからな」みたいなことを言われる始末。

僕も何度もそういう目に遭いましたし、その度にこいつら全員消滅してくれないかなーって真剣に思ったもんです。中学生にしてストレスによる胃痛を経験してたからね。うん、はつらつって何?って感じ。あと青春って意味がわからない。




そんなキャプテンとしての僕が最も辛かったのが台風の日の練習。




その日は大型台風が中国地方を直撃しており、暴風雨が吹き荒れていました。かなり荒れた天気でしたから、あらゆる部活動は中止され授業が終わったら即みんな帰宅!みたいな感じだったんですね。でも、我等が駅伝部はそうじゃありませんでした。



監督「練習?もちろんやるよ!こんな状況だからこそ走らないでどうする!試合の日が暴風雨かもしれんだろ!甘えんな!



…(゜Д゜ )



いやいや、ありえないありえない。シャワーのように雨が降り注ぎ油断したら飛ばされてしまいそうな風が吹き荒れる中ですよ。今考えるとほんとイカレポンチな監督ですよね。で、練習やるってことを部員に伝えると女子部員から大反対が起こりました。

当時は学則で「部活動をするときは白のTシャツで」って決められてたんですね。そこに女子生徒は反発したわけです。つまり豪雨の中白Tシャツで走ってたらブラが透けちゃうでしょ!ってことですね。ちなみに当時の僕の中学では部活時のブルマー着用が義務付けられていました。うん、透けたTシャツに下半身はブルマーなんてほんとAVの世界。そりゃ嫌だわな。今ならセクハラもんですよ。

で、その女子部員達の意見を監督に伝えたんですよ。キャプテンとして、女の子の気持ちのわかるかっこいい中学生男子として、微妙な年齢の女の子の心理をなんとか監督に伝えようと必死に交渉しました。でもさすがイカレポンチ監督。「いやー、今日はやっぱ練習中止にすべきなんじゃないですか?」って僕がまだ言い終わらないうちに



















監督「じゃあ今日は全員水着で走れ!!


















!!!???(゜Д゜ )









僕はそれ以上何も言えませんでした。そしてそのことを部員に告げます。もちろんみんなの反感を買います。「変態ー」とか「エロー」とか心無い言葉が刺さります。いやいや、僕のせいじゃないからね。中学生って惨酷で怖い。

それでも10分後グラウンドではスク水着た女子部員20人が走っていました。印象的だったのがなぜか男子部員まで水着に着替えてたこと。いやいや、君らは着替える必要がないんじゃないか?

暴風雨の中水着でグラウンドを走りつづける約60人の中学生達。それを満足げに見つめる監督・コーチ陣。部員達の刺すような視線に耐えるキャプテン。でもあの時の練習が全国大会への扉を開いt















タモさん再び んなこたーない



今日のBGM
cosmos/Polaris

cosmos/Polaris

ホワンとした日曜日に聴きたくなるミニアルバムです。ダビーな感じもしっかり保持しつつも、良質なポップサウンドに仕上がっているところが僕のツボですね。劇的な感動も琴線を擽るような歌詞もない、言わば日常に根を下ろしたようなほのぼのした音楽なんですが、なぜか時々泣けちゃいます。こんなアーティスト日本には他にいないんじゃないかなあ。


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